レポート

新型コロナウイルス感染症の影響下で、チャイナマネーが日本旅館狙い

2020/06/29

最近、気になる新聞記事に遭遇したため、共有したいと思います。記事のポイントを3つにまとめてみました。

ポイント

  • 日本の主要観光地(箱根、伊豆、熱海や富士山周辺)にあり、新型コロナウイルス感染症の影響で売上が激減している旅館を、チャイナマネーが買収しようとする動きが活発化している
  • 現在は渡航制限で訪日できないがめ「オンライン視察」で物件の確認を行っている
  • チャイナマネーが資産を保全することが買収の動きの背景にあると考えられている

背景

武漢市で発生した新型コロナウィルスが世界中に蔓延し、他国よりも早期に経済活動の回復をしているチャイナマネーは、価格が低下した日欧米の資産を取得対象とし始めている。企業の代表者が取得できる査証を獲得し、日本の保険制度を利用した治療の恩恵も受けられる点も、取得の背景にあると言われています。

香港では混乱が継続し、人民元や香港ドル建て資産の急落が予測される中、オペレーショナルアセットを取得することで、資産を日本に逃避させる動悸があるとも考えられます。

「ホテル旅館経営研究所」によると、チャイナマネーの日本国内のオペレーショナルアセット買収の動きが出始めたのは、香港の抗議デモが深刻化した2019年夏以降。「日本政府から資産が没収される不安がなく、資金の投資先として選好されている」との分析された。

チャイナマネーの日本国内の土地買収は、日本国の安全保障面での懸念が指摘されている。チャイナマネーによる京都市内の宿泊用物件の爆買いは、長い年月をかけて築き上げられてきた京都市民のコミュニティを破壊するレベルになっていた。

昨今、安保上の投資に関する規制が議論されているが、対象は軍事技術や、自衛隊と米軍基地周辺、そして水源地に限定されると思われる。

高額な仲介手数料に目がくらんだ日本の不動産業者も加担するため、一般的なホテル宿泊施設の売買を規制することは困難である。

特に地方にある旅館は、地域の様々な資源を利用するため経済波及効果が高い。チャイナマネーが介入した後は、伝統や文化とは無縁の張りぼての旅館が増加し、地方の観光地が特定の国のインバウンド旅行客向けの「テーマパーク」に成り下がる可能性が潜んでいることに危機感を感じ得ない。

最後に、神戸市内では、チャイナマネーが新築マンションの1フロア全体を取得した、というマンションディベロッパー営業者の話が思い出された。

新型コロナウィルスの拡大が終息するまでの事業判断として、外資への売却を否定するつもりはない。それに、壊滅的な打撃を受け、倒産した宿泊事業者はすくなくない。

ただ、武漢市から発生した新型コロナウィルスの宿泊事業者への売上の影響は、長期化するものと思わる。宿泊事業者にはあらゆる手段を用いて、最悪の状態を乗り越える努力をすることに期待し、日本のおもてなしの文化、建築文化や食文化を守って欲しい。

以上

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